「カンカン」のストーリー
1896年のパリ。カンカン踊りはワイセツだと突然禁止されたが、シモーヌ(シャーリー・マクレーン)の店ではカンカン上映が続けられていた。知恵者の彼女が弁護士フランソワ(フランク・シナトラ)を通じて警官や判事たちを丸めこんでいたのである。主席判事ポール(モーリス・シュヴァリエ)のもとに新任判事フィリップがやってきた。コチコチの法律尊重主義者である彼は、早速シモーヌのカフェに手入れを行って踊り子を告訴しようと考えたが、そのうち当のシモーヌに夢中になってしまった。だが、カンカンの取り締りは強引に行なった。仕事と恋は別のことだと。フランソワは、判事の心を身ぬき、巧妙に立ち廻ってシモーヌを釈放させ、告訴妨害を試みた。彼女の心は実はフランソワにあったが、フィリップ判事がとうとう求婚してきたのを利用してフランソワをやきもきさせ、彼に求婚させようとした。彼はその手にはのらなかった。シモーヌはしびれをきらしてフィリップとの婚約を発表した。老ポール判事は、フィリップがカンカン踊りの首謀者と結婚して地位を棒にふることを恐れ、善後策をフランソワに相談した。そうしてシモーヌを社交会のお歴々の前につれ出し、赤恥をかかせてしまうことにした。計画は図に当たったが、フィリップの方はシモーヌに幻滅を感じなかった。計画の立案者フランソワに復讐するため、シモーヌは彼をカフェの臨時経営者にし、カンカンを踊って警察に手入れをさせた。かれは告訴されると弁護士の地位を失うという危機におちた。そうなると、シモーヌも弱った。そこでポール老判事主席が解決にのりだし、法廷でカンカンを踊らせてことの否決を決定させるという策を出した。その結果「ワイセツとは美と同じく見る人の目によってきまる」という純粋なものだった。フランソワとシモーヌは結局結ばれた。