解説
ジャン・リュック・ゴダールがフランスの大スター、ジェラール・ドパルデューを初めて起用して、創造主(神)と肉体をモチーフに作り上げた作品。監督のゴダールは80年代に入り、再び長編映画の世界に回帰し、近年も「ヌーヴェルヴァーグ」、「ゴダールの新ドイツ零年」などを発表している。本作品では、いつもながら脚本・編集を兼ねている。製作のアラン・サルドは「ゴダールの探偵」などで脚本家としても参加しているフランスを代表する製作者。撮影は近年のゴダール作品のほとんどを担当し、リヴェットの「彼女たちの舞台」などリヴェット作品も多く担当しているカロリーヌ・シャンペティエ。録音は現在のゴダールの映画作りに欠かせないフランソワ・ミュジーが担当。主演は「カミーユ・クローデル」のジェラール・ドパルデュー。共演は彼の妻役に舞台で活躍してきたローランス・マスリア、「伴奏者」のベルナール・ヴェルレーほか。
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「ゴダールの決別」のストーリー
アブラハム・クリムト(ベルナール・ヴェルレー)が「ある出来事」の調査にレマン湖のほとりの町にやってくる。彼はシモン・ドナデュー(ジェラール・ドパルデュー)とその妻ラシェル(ローランス・マスリア)の居所を探し、人々に物語を買いに来たと述べる。その頃、ラシェルはモノ牧師(フランソワ・ジェルモン)に5日前、肉体のもろさを知ったと言い、寝た相手が夫か神か分からなかったと訴える。駅ではマックスが神を迎えに来ていた。神はラシェルを探すように命じる。クリムトはビデオ店で「1986年7月23日の午後に起きたこと」を尋ねる。店長たちは当時を回想する。また女子学生オード(オード・アミオ)はクリムトに見た2人の男はシモンと神だと告げる。彼女は神がシモンに自分の帽子とコートを渡していたことを話す。ここで神はシモンに乗り移ったのか?_夕方、外出しているはずのシモン(神?_以下同様)が妻の元に戻ってくる。シモンは彼女に、自分はシモンの身体を避難場所にしているのだと言い、天地創造の秘密を語る。そして「すべてはひとつに、ひとりは他者の中に、3つの位格(ペルソナ)がある。」と言うのだった。シモンはラシェルに不滅の存在になりたくないか問うが、彼女は断りシモンに抱きつくと同時に気絶する。若者リュドがユーゴスラヴィアの戦いに出発するために駅へ歩いてくる。「シモンは、シモン・ドナデュー」(もしわが身を神に捧げるなら)とサインする。そしてクリムトに「あれは僕だった」と述べる。
「ゴダールの決別」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ゴダールの決別」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | スイス フランス |
製作年 | 1993 |
公開年月日 | 1994年9月3日 |
上映時間 | 84分 |
製作会社 | レ・フィルム・アラン・サルド |
配給 | コムストック |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビー |
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