火の接吻

ひのせっぷん
上映日
1950年11月3日

製作国
フランス

制作年
1949
レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

脚本家から最近監督に進出したアンドレ・カイヤットの一九四九年作品。カイヤット書卸しのストーリーを「霧の波止場」「悪魔が夜来る」「高原の情熱」のジャック・プレヴェールが脚色し台詞も執筆。出演者は「情婦マノン」のセルジュ・レジアニと「密会」のアヌーク・エーメを恋人役に、「霧の波止場」「高原の情熱」のピエール・ブラッスール、「バラ色の人生」のルイ・サルー、「大いなる幻影」のマルセル・ダリオ、シャンソン歌手として有名だったマリアンヌ・オスワルド等が主要な役柄を演じる。撮影はアンリ・アルカン。音楽は「モロッコ守備隊」のジョゼフ・コスマ。
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ユーザーレビュー

「火の接吻」のストーリー

水の都ヴェニスに近いムラノの若いガラス細工職人アンジェロはガイドのラファエレにつられて見学に来た映画女優ベッティナが好きになってしまった。ベッティナはプロデュウサァのサンドリニと共に新作「ロメオとジュリエット」に使う時代のついた調度を探しに来たのだが、ラファエレは二人をサン・マルタン運河に臨むマリア邸へ案内した。この邸はヴェニスの名門で既に没落していたが、当主エットォレは家名を誇り昔の夢をみつづけ、その従弟アメデオは戦傷のために気が変になり絶えず機関銃を射つ真似をしており、その他エットォレの妻ルチアも家政婦レティティアも、みんな風変りで、ただひとり娘のヂオルヂアだけが清純可憐な乙女だった。ラファエレはガイドをしているが、相当な顔役で、この一家を財政的に援助して、ヂオルヂアの婚約者になりすましていた。ヂオルヂアは訪れて来たベッティナに働き口を頼んだ。ベッティナは撮影所へ来るようにと云った。翌日撮影所を訪れたヂオルヂアはジュリエットを演じるベッティナのスタンド・インの仕事を得た。そこへベッティナに会おうとアンヂェロがやって来たが、エキストラと間違えられ衣裳をきせられた。撮影は有名な露台の場だった。ロメオ役者が高い縄梯子に尻ごしみたので、アンヂェロがスタンド・インになって登った。露台にはジュリエットに扮したヂオルヂアがいた。そして顔を見合せた瞬間、二人は劇しい恋におちてしまった。やがてヴェロナのロメオとジュリエットの旧蹟でロケイションが行われることになり、ヂオルヂアとアンヂェロも同行、夢の様な幾日かを過ごしたが、保護者の役で同伴したレティティアの密告で二人の仲を知ったラファェレはヂオルヂアを連れ戻しに来て、甘美な一夜をすごし霧台にいる二人の姿をみてしまった。彼は怒ってヂオルヂアを責め、与太者に命じてアシヂェロ殺害を計ったが成功しなかった。家名を重んじるエットォレは、娘に手を出したアンヂェロを憎み、彼女が遂に家出して撮影所でアンヂェロを待つ間に、レティティアを使ってアンヂェロを邸におびきよせ長剣で殺そうとした。隙をみてアンヂェロは脱れたが、背後からアメデオの機関銃弾を浴びせられ重傷を負った。折から訪れて来たラファェレも巻ぞえを食い即死した。アンヂェロは呼吸もたえだえ撮影所に辿りつき、セットの蔭で、ヂオルヂアの腕に抱かれながら死んで行った。そして彼女もガラスの破片で動脈を切り、彼のあとを追った。

「火の接吻」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「火の接吻」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 フランス
製作年 1949
公開年月日 1950年11月3日
製作会社 CICC
配給 SEF=東宝
レイティング
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード

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