「バルト」のストーリー
ニューヨーク、セントラル・パーク。古い銅像を探すおばあちゃん(ミリアム・マーゴライズ)は、孫の小さな女の子に昔話をはじめる……。1925年。アラスカ、北極に近い町ノーム。犬ゾリ・レースの日。バルト(声=ケヴィン・ベーコン)は狼と犬の混血。気が荒いからと町の人からは嫌われ、犬からもいつも仲間外れ。飛べない偏屈者の雁ボリス(声=ボブ・ホスキンス)と物陰からレースを見物。レースは毛並みのいいアラスカ犬スティール(声=ジム・カミングス)のチームが3年連続で優勝。彼は得意げにロージーという少女が飼っている町一番の美しい雌犬ジェナ(声=ブリジット・フォンダ)の傍へ。だが、彼女はバルトにひかれていた。月夜の晩。病気のロージーを心配するジェナ。バルトは彼女を床下の秘密の場所へ案内。心安まったのも束の間、上で町の子供たちに蔓延するジフテリアの治療のために必要なワクチンが、吹雪で運べないと人々が話すのを聞いてしまう。最果ての駅ネナナからは犬ゾリしか足の便がない。翌朝。チーム選抜のため、レースが行われ、突然出場したバルトは全力で走り抜いて優勝した。だが、また狼犬だからと追い払われ、結局スティールのチームが出発。ところが、猛吹雪で彼らは道に迷い、立ち往生。雪の原野に助けに出たバルト。お供はボリスと泳げない北極熊マックとラック(声=フィル・コリンズ)。そんな彼らをヒグマが襲うが、間一髪のところを追ってきたジェナが襲う。凍る湖にヒグマと落ちたバルトを救ったのはなぜか泳げたマックとラックだった。ケガをしたジェナをボリスらに送らせて、スティールたちの元へ駆けつけたバルト。道案内を申し出た彼に、スティールは先導犬の座は譲らないと襲いかかるが勢い余って谷底へ。来るときに残しておいた道しるべをたどり、町へ急ぐバルトたち。だが性懲りもなくスティールが妨害。今度はバルトが断崖絶壁の底へ……。気がつくと彼の傍に純白の狼がいた。自分の狼の血を思い出し、勇気づけられたバルトは死力ではいあがった。一方、スティールはバルトが邪魔をして皆を殺したと嘘を並べる。そこにバルトの遠吠えが聞こえ、彼らは無事にワクチンを持って帰還した。町の人々に初めて称賛され、バルトはジェナと喜びを分かち合った……。そして今。町を救ったバルトの銅像はセントラル・パークにひっそりと建つ。「ありがとう。私を助けてくれて」おばあちゃん-実はロージー-はお礼の言葉をつぶやいた。