解説
ハリウッドのメジャー・スタジオの副社長が起こした殺人事件を中心に、いわゆるハリウッド人種たちの奇妙な生態を描いたブラック・コメディ。「ゴッホ」のロバート・アルトマン監督作で、最近ニューヨークやパリに活動の場を移していた彼のハリウッド復帰作である。いきなりオーソン・ウェルズ監督の「黒い罠」の冒頭シーンを思わせる8分6秒の複雑な移動撮影を駆使したワン・ショットから始まるなど、全編にわたって映画にまつわる様々な話題で綴られる。本国でもヒットしたほか、92年カンヌ国際映画祭監督賞・主演男優賞、92年度ゴールデン・グローブ賞作品賞(コメディ・ミュージカル部門)などを受賞した。製作は「評決」のデイヴィッド・ブラウン、ニック・ウェシュラーと本作の原作(ハヤカワ文庫)・脚本を書いたマイケル・トルキンの共同。撮影はジャン・ルピーヌ、音楽は「恋の時給は4ドル44セント」のトーマス・ニューマンが担当。主演のティム・ロビンスは「ボブ・ロバーツ」で脚本・監督を務めた俊英。また映画スターの本人役で、ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリス、シェール、アンジェリカ・ヒューストン、ジャック・レモン、ニック・ノルティなどのスターたちがアルトマンの要請に応えてユニオンの提示する最低のギャラで出演している。
ユーザーレビュー
「ザ・プレイヤー」のストーリー
グリフィン・ミル(ティム・ロビンス)は大手映画スタジオのエグゼクティヴだ。最近、彼を悩ます出来事が2つあった。ひとつは20世紀フォックスからやり手プロデューサー、リーヴィー(ピーター・ギャラガー)が引き抜かれてくるという。もうひとつは、企画をボツにされた脚本家から頻繁に脅迫状が届けられることだ。売れないライターのデイヴィッド・ケヘイン(ヴィンセント・フィリップ・ドノフリオ)をその送り主とみたグリフィンは、彼と会う。が、口論の末、勢い余ってケヘインを殺してしまう。だが翌日、死んだはずの男からファックスの脅迫状がグリフィンのもとに送られてくるのだった。しかも、ライバルのリーヴィーは予定より早く会社を移って来ることになり、グリフィンの焦りは増していく。そんな折、グリフィンは葬式で知り合ったケヘインの恋人で画家のジューン(グレタ・スカッキ)のもとを訪れる。彼女との会話に安らぎを覚えたグリフィンは、彼女をスタジオのパーティに招待し、2人はやがて恋人同士になる。続いてグリフィンは、ヒットの見込みのない脚本をリーヴィーにつかませて罠に陥れることに成功する。全てがうまくいこうかという時、事件の夜の目撃者が現れる。だが、目撃者の記憶は定かでなく、彼は放免される。1年後、グリフィンは社長死去の後をうけて社長に就任、ジューンと順調な結婚生活を送っているのだった。
「ザ・プレイヤー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「ザ・プレイヤー」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | コメディ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1992 |
公開年月日 | 1993年1月15日 |
上映時間 | 124分 |
製作会社 | アヴェニューピクチャーズ作品 |
配給 | 大映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ステレオ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1992年12月上旬号 | グラビア ザ・プレイヤー |
1992年12月下旬号 | グラビア《Special Selections》 ザ・プレイヤー |
1993年3月上旬号 |
外国映画批評 ザ・プレイヤー 外国映画紹介 ザ・プレイヤー |
1993年4月上旬春の特別号 | 日本映画紹介 ザ・プレイヤー |