「海の巨人(1930)」のストーリー

1840年の春、米国マサチューセッツ州の海港ニュー・ベッドフォードには捕鯨船メリー・アン号が船倉一杯に鯨油を積んで入港した。帆柱の頂上の見張り台には銛打ちの名人で女蕩しの名人でもあるエーハブが波止場に群がって出迎えている女達に素晴らしい肉体美を見せびらかしている。エーハブを迎えに来てた弟デリックは美しい乙女の手をとっていた。乙女は新たにこの町に赴任して来た牧師の娘フェイスであった。彼女は父親のもとで働いているデリックよりも初めて見るその兄なる海の男に強く心をひかれた。エーハブは酒場で久しぶりに快く酔ってから教会に行ってオルガンを弾いているフェイスの美しい横顔を飽かず眺め入った。翌る日は酒場へは寄らないでフェイスを訪ねたが弟デリックと彼女とが恋仲であると思い違えて辞去した。しかし船出の日フェイスは波止場でエーハブと婚約の接吻を交わした。メリー・アン号が名高い白鯨モビー・ディックに遭遇した時、ヘーハブは仕留めようとしてかえって片足を噛み切られてしまった。彼が木の足で故郷に帰った時フェイスは驚愕の悲鳴を挙げた。エーハブは彼女が結婚式を挙げようとデリックを遣して申し出てきたのを、牧師の娘らしい憐れみの心から言うのであろうとにらんで彼女に会おうとはしなかった。その後彼は船長となってモビー・ディックを探し回った。常人と思えないエーハブの復讐心を怖れて脱走する船員が相次いだ。ニュー・ベッドフォードでヘーハブは多勢の水兵どもを誘拐して乗船させただちに出帆した。その中にはデリックも混じっていた。大暴風雨の夜デリックはフェイスを奪った恋敵として兄にきりつけ海に突き落とそうとしてかえって背骨を折られてしまった。嵐が去った翌日警敵の白鯨と遭遇したエーハブは銛を取って向かい、鯨の背に乗って怨みの銛を深く突き刺して見事にしとめた。彼がニュー・ベッドフォードに幾年ぶりかで帰るとフェイスは彼が来るのを辛抱強く待っていた。