「銀鼠流線型」のストーリー

紐育の警察は女賊ソフィ・ラングの大胆不敵な行動に絶えず悩まされていた。今も1宝石店から女賊に襲われたという報があり、腕利きの警察部長ストーンの命令の下、非常線が張られたが、そのときはもうソフィが姿をくらました後だった。海外に姿を消したという噂のあったソフィが、急に活躍し出したのは、欧州の巨盗マキシミリアン・バナードが紐育の彼女の縄張りを荒らしに来たからであった。バナードはナイジェル卿と称して渡米し、ストーン部屋を訪れたが、ストーンは早くも彼の正体を見破り、彼を利用してソフィ・ラングを捕まえようとした。が、この計画は特殊な装置で既にソフィに知られていた。その夜、ソフィは片腕のネリイ婆さんを手先にわざわざバナードに近づいた。バナードとストーンの鼻を明かそうという魂胆であった。ソフィは警察当局すら彼女の指紋一つ知らないほどの曲者で、バナードも勿論ソフィとは知らずに惚れ込んでしまった。あるひ、テルフェンほうせきてんに10万ドルもするノオーテスキューの真珠が輸入された。ストーンは、バナードを囮にソフィを捕まえようとした計画を彼女に知られたと悟るとそれをあきらめ今度はテルフェン宝石店を舞台に罠を作って彼女を捕まえようとした。が、これも見事に裏をかかれ、伯爵婦人にばけたソフィに貴重な首飾りまで盗まれてしまった。バナードを尾行していた者の報告により、彼がテルフェンの店に立ち寄った事が判り、ストーン等は彼のアパートを訪れた。そこへ仲良しになったバナードとソフィが帰ってきた。が、ストーンはそのときもバナードの婚約者と称する女がソフィとは知らず、バナードがソフィから盗ってポケットに忍ばせていた首飾りを証拠に彼を捕らえ、芝居の巧みなソフィはそのまま帰した。ストーンが彼女がソフィだと気がついたときには、バナードから取り上げた首飾りは無くなっていた。ストーンが時を移さずソフィを追撃したが時すでに遅く、虚に乗じて逃れたバナードと共にソフィは警戒付の車で埠頭へ向かい、欧州通いの汽船に逃げ込んだ。そして、2人は新婚旅行とも、ほとぼりをさます旅ともつかぬ旅に上がったのである。