「奇跡の薔薇」のストーリー

パリから程遠からぬ片田舎の尼僧院に棄児をした若い母があった。それから一年後パリモンマルトルのあるカフェに踊娘ジョリーヌとなって現れたのが彼女だった。美しいジョリーヌに思いを寄せたのはアドリアンと名乗るローシュの伯爵とポール・グランヴィルという米国の絵師だった。ジョリーヌは貧乏なポールに同乗し無償で彼のモデルとなった。ポールは多くの傑作を描きそれによって得た金でジョリーヌと楽しい生活をした。伯爵は伝説の薔薇の木のある修道院の話をしてポールにマドンナの絵像を描くことを勧めた。そうしてジョリーヌがとうていマドンナのモデルになれぬから自分の許に来るだろうと思っていた。そうしてジョリーヌは無理矢理にマドンナのモデルを勤めることをポールに承諾させた。そうして彼女は男装して修道院の門をくぐり花咲かぬ薔薇の木の前にマドンナの装いをして立った。修道僧オーギュスタンは薔薇の花咲かぬを我罪故と信じて日夜罪の許しをマドンナに祈願していたがある日庭に出でてジョリーヌの姿をマドンナと思い我罪許されたりと喜び、法悦に死んだ。奇蹟の噂は人々の口に伝えられた。ジョリーヌは奇蹟を信ぜず修道院長にすべてを語った。院長は彼女を奇関の薔薇のほとりに導いて咲匂う花を示した。ジョリーヌは始めて神を知り、留めるポールの袖を振り切ってパリを去りかつて尼院に託した我が子を引き取り額に汗して働いた。神は彼女の行を嘉してポールを彼女に再び与えられたとやら。