「影なき殺人」のストーリー

コネチカット州フェアボートの町はランバート神父が夕方散歩中何者かに銃殺され たというので大騒ぎになった。神父が倒れてから駆け付けた目撃者たちも下手人が誰であるかは見当がつかなかった。神父は町の人々に愛されていたので、殺される理由がないのだ。最近神父を訪れた人は復員軍人の失業者ワルドロンと少し頭の変なクロスマンという者たちであった。その時は選挙を控えていたので、この殺人事件を在野党は利用しにかかった。地方検事ヘンリー・ハーヴィーは事件を解決すべき責任があり、調査に着手したさ、反対党の宣伝はものすごく、新聞攻撃の火の手はついに警察署長ロビンソンに辞表を提出させるに至らしめた。しかしハーヴィーはその辞職を思い止まらせて、七人の目撃者の口述書から、犯人がワルドロンであることを推測した。オハイオ州にいたワルドロンは、護送されて来たが、神父が受けた銃弾と合致する12ミリ口径のピストルを携えていた。証人たちは口をそろえてワルドロンが下手人であると証言した。中でも女給のアイリーンは、犯行現場から一町離れている自分の勤め先の料理店の窓から、犯行五分前に彼が歩いていたのを目撃した、と証言した。ワルドロンは一切を否定し、その時刻には映画館にいたと主張する。しかし彼の言葉を裏書きする証人はなく、精神科医はワルドロンが理解の平衡を失っており、殺人可能であることを証言した。40時間にわたる尋問の末、ワルドロンは罪を認めた。彼の有罪は動かしがたく見えたが、それだけの証拠では満足できないとハーヴィーは悟った。審問が始まると、ハーヴィーは調査の結果ワルドロンは無罪であると主張した。政党の圧力は加わったが、罪なき男を罰することはできないという確信のもとにハーヴィーは戦った。そしてワルドロンのピストルは不完全で、証人たちが指示する場所からは射殺することが不可能であることを立証した。かくて裁判長は、証拠不十分により無罪としてワルドロンを釈放した。その後も犯人は依然として不明であった。



映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 1/21

永田雅一(1906)

地獄門 デジタル復元版

第7回カンヌ国際映画祭グランプリ、第27回アカデミー賞最優秀外国語映画賞、衣装デザイン賞を受賞した大映の第一回天然色映画「地獄門」のデジタル復元版。撮影助手として本作に関わった森田富士郎氏の監修の元、オリジナル・ネガより三色分解したマスター・ポジなどを素材に当時の色彩を復元している。東京国立近代美術館・フィルムセンターと角川映画の共同事業。2011年5月2日NHK・BSプレミアムで放映。2012年4月28日、東京・京橋フィルムセンターにて特別上映。

日蓮

古代王朝から新興武士へと政権が移りつつあった承久四年(一二二二年)に生まれた日蓮の、言語を絶する迫害をはねのけての布教活動の生涯を描く。原作は川口松太郎、脚本監督は、「遺書 白い少女」の中村登、撮影は「俺は田舎のプレスリー」の竹村博がそれぞれ担当している。
神尾楓珠(1999)

親密な他人

彼女が好きなものは

浅原ナオトの小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を映画化。ゲイであることを隠しながら高校生活を送る安藤純と、BL好きを隠しているクラスメイトの三浦紗枝。書店で鉢合わせたことから急接近する2人だったが、ある日、純は紗枝から告白され……。出演は「私がモテてどうすんだ」の神尾楓珠、「ジオラマボーイ・パノラマガール」の山田杏奈。監督は「にがくてあまい」の草野翔吾。

NEW今日命日の映画人 1/21

セシル・B・デミル(1959)

クレオパトラ(1934)

セシル・B・デミルが「新世紀」「恐怖の四人」に次いで監督製作した映画で、「喇叭は響く」「恐怖の四人」の脚色者バートレット・コーマックが史実に取材して組立てた物語で「路傍」「夜毎来る女」のヴィンセント・ローレンスと「坊やはお休み」「暴君ネロ(1932)」のウォルデマー・ヤングが共同脚色したもの。主役は「暴君ネロ(1932)」「或夜の出来事」のクローデット・コルベールが勤め、「一日だけの淑女」のウォーレン・ウィリアム、英国劇壇から招聘されたヘンリー・ウィルコクスンが共演するほか、「絢爛たる殺人」のガートルード・マイケル、「薫る河風」のジョセフ・シルドクラウト「クリスチナ女王」のアイアン・キース及びC・オーブリー・スミス、「妾は天使じゃない」のアーヴィング・ピチェル等が助演している。撮影は「生活の設計」「恋の凱歌」のヴィクター・ミルナーの担当である。

十戒(1957)

1923年、今回と同様セシル・B・デミルが監督した「十誡(1923)」の再映画化で、製作費1350万ドルを費やしたというスペクタクル宗教史劇、イーニアス・マッケンジー、ジェン・L・ラスキー・ジュニア、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランクの4人が脚本を書き、「胸に輝く星」のロイヤル・グリグスが撮影監督をつとめた。特殊撮影を受け持ったジョン・P・フルトンは1957年度アカデミー賞を受賞した。音楽は「最前線」のエルマー・バーンスタイン。主演は「三人のあらくれ者」のチャールトン・ヘストン、アン・バクスター、「追想」のユル・ブリンナー、「地獄の埠頭」のエドワード・G・ロビンソン、「勇者カイヤム」のデブラ・パジェット、そのほか「裸の天使」のジョン・デレク、「重役室」のニナ・フォック、「南部の反逆者」のイヴォンヌ・デ・カーロ、「放浪の王者(1956)」のサー・セドリック・ハードウィック、「サヨナラ」のマーサ・スコット。231分版もあり。