「海国魂」のストーリー

孤児ジェフリーはジムとドリスという男女の悪漢の手先に使われてロンドンで悪事を働いていたが、ある時宝石泥棒に失敗して警官に追われジェフリーだけが捕えられた。当局は彼を感化院に送る代わりに、今一度改心する機会を与えてやるため、セルコーツの幼年商船学校へ送ることにした。しかし放逸な生活に馴れた彼は到底規則の厳格な学校の生活に堪えきれず、機を見て脱走を企てた。これを知った級友のテリーは、ジェフリーの身を案じて後を追っかけ、無理に学校へ連れ戻した。そのため彼の脱走は学校へは知れなかったが、寄宿舎の門限に遅れその理由を云わぬのでテリーは罰を受けた。事情を知っている級友たちはテリーに同情すると同時にジェフリーを憎み、彼に絶交を申し渡して誰も口を利かないようにした。やがて幼年海軍兵学校とのボートレースの日が近づき、ジェフリーは上官に認められて艇長に命ぜられた。試合には美事勝利を得たが、それでも級友たちは依然として彼を白眼視続けた。さすがのジェフリーもついに自分の非を悟り、校長の許へ行って脱走の一件を告白し甘んじて感化院へ行くと申し出た。校長は彼の男らしい態度に感心し、テリーの処罰を取消した上、ジェフリーと共に2人を全学生の羨望の的であるクイーン・メリー号の乗組員に任命した。いよいよ楽しい出帆の日も近づいた時、ジェフリーがこの船で出航することを聞きつけたジフとドリスは、執拗にも彼を利用して内密にジェフリーの外套に宝石を縫込み、まんまと高飛びしようと企てた。そのために彼は再び嫌疑をかけられ、船の乗組員を取消されたばかりでなく牢屋に入れられるという悲運に見舞われたが、後数時間で出帆という時に、彼の潔白を信ずる級友達の活躍によってジムとドリスは捕えられ、ジェフリーは晴天白日の身となってクイーン・メリー号に乗組み、新しい生活の第一歩へ踏み出した。