「海の女皇」のストーリー

海の女皇メリラは、人魚の群と浪に戯むれている間に1冊の書物を手に入れた。その書物は告げる。若し彼女が4人の人間の命を助けたならば、人の姿となるのみならず不老不死の身と成ろう--と。この書物は暴風の神ボレアスが覆えした船から流れて来たものである。ボレアスの娘の妖魚たちは、浪間に苦しむ人々を溺れさせていた。これを知ったメリラは、人々を助けに泳ぎ来る。妖魚たちはこれを父なるボレアスに告げた。怒れる彼はメリラを捕え、洞窟に彼女を幽閉したが、勇敢なる王子ヘローはメリラを助け出した。これの御礼として、メリラは王子の船がボレアスに覆された時、王子を救う。ボレアスは次にレアンドラ姫を捕え、剱の塔に閉込めたが、メリラは苦心の末姫を助け出すことができた。今はメリラを恋している王子の胸を察し、レアンドラ姫は王子との婚約を快く思い諦めた。王子とメリラとは南の海の波路遥けく、行末永く幸福な日を送る身となった。