「ジンジンとアキタ」のストーリー

1983年夏。韓国南部の小さな港町に、ちょっと内気な小学生ジェヨンが暮らしていた。彼の家族は、両親と姉と妹、それに父親がかわいがっている2匹の犬、珍島犬の“ジンジン”と秋田犬の“アキタ”。魚市場で働く父は、毎日酔っ払って帰宅してはジェヨンたちをしかり飛ばし、母親ともしょっちゅう衝突している。家族を困らせて犬たちだけに愛情を注ぐ父親の姿に、寂しい気持ちを募らせていくジェヨン。ある日ついにその不満が爆発し、ジェヨンはジンジンの鎖を外して、家から追い出してしまう。ところが、放たれたジンジンは興奮して子どもたちを追いかけ回し、なぜかそこにアキタも加わって、町中が大騒ぎに。だが警察に大目玉を食らった父親は、思いもよらぬ行動に出る。ジェヨンはその真意を測りかねるが……。