「漆黒天  終の語り」のストーリー

江戸の町に現れた、ぼろを纏った男。なりゆきから喜多(小宮有紗)というコソ泥女を助けるが、男は記憶を失くしていた。喜多は男に“名無し”(荒木宏文)の名を与え、狂言作者の玄馬(唐橋充)、ごろつきの邑麻兄弟の兄・二郎太(松田凌)、弟・三郎太(長妻怜央)らを巻き込み、男の素性を捜しはじめる。名無しについてわかっている事実は、どうやら彼は謎の剣客たちに命を狙われているということ。しかもその度に圧倒的な剣技で返り討ちにしてきたらしい。だが、なぜこれほどまでに自分が強いのか名無しは思い出せない。ところが、町で悪事の限りを尽くしてきたという“日陰党”の名を聞いた時、名無しは記憶の中にただひとつ残る<愛する者の死に際>を思い出す。そんな折、与力である玖良間士道(鈴木裕樹)や皿月壬午(小澤雄太)は、ある計画を実行に移そうとしていた……。