「リオ・リタ」のストーリー

テキサス州のフレモント牧場地方の歓楽境フレモント・カフェで人々が飲め歌えやと騒いでいる最中、近くのフレモント銀行は大盗賊団に襲撃され金庫は争奪された。これこそ米国をメキシコとの国境をなしているリア・グランデを中心に横行している賊徒の仕業でその首領はキンカジュウで彼の首には一万ドルの賞金が懸けられている。テキサス牧場地方警察長官のジム・スチュアートはキンカジュウの逮捕に一意専心になっているがこの海賊は出没自在でなかなか尻尾を出さないのである。リオ・グランデのメキシコ領にファーグソンという豪家がある。この家の姫リタはリオ・リタと称えられてこの地方きっての美人である。メキシコでも指折りの富豪であるラヴィノフ将軍はかねてリタに恋して口説いているが彼女は彼に些かも好意を寄せない。ラヴィノフはキンカジュウはリタの弟で無頼漢のロベルトだと言って追回した。リタは肉身の愛にひかされ彼を匿ってやる。知るや知らずやラヴィノフは探そうとはせずリタを抱擁しようとする。折柄現れた壮漢はラヴィノフをさえぎってしまう。彼こそジムでやはりリタに思慕の情を寄せている。リタはこの力強い米国人を愛さずにはいられない。ジムはキンカジュウの本隊を衝かんと牧童達を率いてメキシコ領に渡り来ってフランチェスカ市場へ乗込む、ここでもラヴィノフ将軍は横暴を極めている。彼の好意を怪しんだジムは監視を怠らず続けると共にリタの身に万一の事がないように保護している。ある日酒場の地下室でロベルトを誘拐したのはジムでジムがキンカジュウであるといってジムがリタと連立って踊り場へ来た時に捕らえようとする。リタは始めそれを信じたがジムの態度を見てそれが偽りであることを見てジムの危急を救ってやる。ラヴィノフはリタの歓心をを得んと大遊覧船をリオ・グランデに浮かべて日夜大宴会を張る。リタはジムを逃した事からラヴィノフと結婚せねばならぬ破目となり煩悩している。監禁を逃れたロベルトは船上にリタを訪れてラヴィノフこそキンカジュウであるという正体をを得たジムは単身乗込んで、網を切って船をリオ・グランデの米領の岸に寄せ、米国警察の逮捕状を示してラヴィノフを逮捕する。続いてリタとジムとの盛大な結婚式が挙げられる。