「腕の男」のストーリー

バートはホテルの給仕であったが一攫千金を夢見ていたので新聞などをよく研究して悪漢どものやり口を調べていた。彼の世話でアン・ロバーツと言う娘が女給仕として働くこととなるが、彼の口に乗って将来悪事をする時には必ず相棒にと約束ができる。二人の最初の試みは成功して五千ドルの金が出来たので二人はそれを資本にして大都会へ大きな機会を求めに出かける。大都会で、二人はダンという男とその情婦ヘレンに会うが、二人も悪事の二人組でにせ金つかいという振れ込みなのであった。バートは二人を信じるが、アンは怪しいと睨んでいる。バートの気がついたときは既に五千ドルみんな巻き上げられた後であった。彼は恥ずかしくてアンのところへ帰れず、偽称して宝石屋から宝石を搾取しそれを売り、五千ドルととのえて帰る。ダンがニューヨークにいることを知りバートとアンは後を追う。汽車の上でアンはジョー・レイノルズと会う。ジョーは物静かな、育ちのいい男で、証券会社の外交員をしている。ニューヨークでバートとアンと組もうと提議する。後で彼女はバートに会ってその由を語る。二人はうまく共謀してダンから七千ドル巻き上げ、首尾よく復讐を遂げる。その頃バートは自分がアンを愛していることをしるが彼女に結婚を申し込むと彼女はジョーと婚約したことを告げる。それは激しい打撃であったが彼は平気を装って減らず口を叩きながら帰ってゆく。彼は失望して何もせずにブラブラ暮らす。一年の後、バートは身体が衰え、神経質になっている。昔の敏捷さはすっかり失せている。そこへアンが来て彼女の夫が証券を盗んだことを伝える。バートは彼女を助けるために泥棒になった。彼はジョーから鍵の型と符号を教わりその晩、銀行を襲い、強盗が証券を盗んだように見せかけようとする。しかし、ジョーは気がくじけ、バートの計略を警察に密告するのでバートは逃走の最中に撃たれてしまう。その翌日、アンはバートを刑務所の病院に訪れ、彼が放免されるまで待っていると告げる。バートは無言でいたが微笑が口辺に登るのを禁じ得なかった。