「分子の音色 A scientist and a musician」のストーリー

ともに70歳である東京大学特別教授で有機化学者の中村栄一さんと、古楽器(チェンバロ/フォルテピアノ)奏者の渡邊順生さん。彼らは筑波大学附属駒場中学校・高等学校の同級生である。2020年8月、蓼科の小さな音楽堂で初めて一緒にバッハを演奏した二人。バロック時代のフルートとチェンバロを演奏する二人は、何によって結ばれているのか? 化学と音楽という別々の道を歩いてきた二人を貫いているのは何なのか? 本番前のインタビューで、二人のこれまでと現在が明かされる。通称・築駒の自由な校風や個性的な恩師、目指した東大入試が直前に中止された1969年の出来事、そして、2020年コロナ禍の蓼科で再び交わる二つの道。“自由”を体現する人間が辿ってきた道のりを描く。