「粛清裁判」のストーリー

1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託し、クーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。この、いわゆる“産業党裁判”は、スターリンによる見せしめ裁判であり、90年前に撮影された法廷は、ソヴィエト最初期の発声映画「13日(『産業党』事件)」となった。だが、それはドキュメンタリーではなく架空の物語である。新たに発掘されたアーカイヴ・フィルムには、無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な共演が記録されていた。捏造された罪と真実の罰。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加わり、再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるかを描き出す。