あなたを、想う。のストーリー

「あなたを、想う。」のストーリー

台東の沖にある美しい島・緑島。ここで生まれたユーナンとユーメイ兄妹と、二人に毎日のように人魚の物語を話して聞かせる母（リー・シンジエ）。母はユーナンと夫を置いて、幼いユーメイだけを連れて台北へと去り、間もなく他界した。時は流れ、ユーメイ（イザベラ・リョン）は駆け出しの画家となっていた。彼女は家族を引き裂いた母への怒りを抱えながら生きている。恋人のヨンシャン（ジョセフ・チャン）はボクサーで、試合が近づき過敏になっている彼に妊娠したことを告げられない。網膜剥離であることを隠して試合に臨み、コーチに選手証を取り上げられたヨンシャンは途方に暮れる。ヨンシャンにとって、亡き父と自分を繋ぐ唯一のものがボクシングだった。一方、ユーナン（クー・ユールン）は台東で旅行ガイドとして働きながら、孤独のなかで過去を思う日々を過ごしていた。ある夜、台風で足止めされて立ち寄った店で、あまりにも切ない幻影を見る……。