「歌声は青空高く」のストーリー

オンボロバスでドサ回りを続けるジャズバンドのサキソホン奏者レム(フレッド・マクマレイ)は早いとこ堅実な仕事を見つけ、家庭を持ちたいと考えていたが、ヒッコリーという町で、ふとしたことからバスを降り、ジョンの経営する雑貨店の店員として、働くことになった。町では腕白少年たちの悪戯に悩まされ、対策が望まれていた。町の資産家ヘティが会長をしている町民クラブで、そのための相談会が催された時、レムは以前から、心を惹かれていたバイダ(ヴェラ・マイルズ)が、ボーイスカウトを提案しようとしているのを知って、自分から進んで、ボーイスカウトの指導者になることを申し出た。根が子供好きなレムに少年たちは心服し、町の人々も声援を送った。そんなある日、バイダが、恋人のラルフとドライブに行き、車が故障しているのを、レムが助けたことから、バイダの心は、急速にレムに傾いていった。ボーイスカウトに入った少年たちは、日に日にたくましく育っていったが、ホワティ少年だけは、仲間に入ろうとせず、レムは心をいためていた。ホワティは母がなくただ飲んだくれの父との2人きりの生活で、ひねくれてしまっていた。が、そのホワティもレムの力でボーイスカウトの一員となって活躍するようになった。レムはバイダと結ばれ、幸福な家庭を持った。だが、悲しいことに、バイダは子供ができない身体だった。レムはいっそうボーイスカウトに熱中した。そして父を失ったホワティを養子にむかえた。第2次大戦が勃発。レムに育てられた少年たちも成人し、出征していった。ホワティも軍医として戦線に向かった。レムは前にもまして少年たちの訓練に励んだ。戦争が終わり、ホワティは花嫁ノラを伴って帰還。ヘティの土地にボーイスカウトのキャンプが作られることになり、レムは大はりきりだったが、レムももう高齢。ホワティに絶対安静を命じられ、仕事は、町の人々によって進められた。そして完成の時が来た。バイダに、手をとられ、レムは、キャンプの入口のリボンにハサミを入れた。そして昔ながらの号令をかけ、行進の先頭にたった。