「お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇」のストーリー

東京・下北沢。ミニシアター「トリウッド」で映画を観ていた北沢白(栗原類)は、あたかもEDOの世界にいる夢を見る。魔物に追われ、フリ松(高橋ひろ無)という男にも会った。だがそのことを館主の松原正親(吹越満)に告げるも話を聞いてくれない。白の親友・猛(荒牧慶彦)は、居酒屋「都夏」の次男坊。兄の龍(神谷リク)は店を継ぐことになっているが、隣に開業したボーイズバーの騒音問題を巡り、オーナーの六条(藤田富)と対峙することに。龍は六条の後ろにいた桔梗(染谷俊之)に心を奪われ、桔梗も龍に運命めいたものを強く感じる。年に一度の祭りの日、白は白鳥太夫の幽霊に誘われるように姿を消し、白を探していた猛、桔梗を追いかける龍、そして六条も姿を消す……。100年後のEDO時代。EDOは男しかいない世界で、碗田蘭人(ワンダーランド)と何かしらのハンディキャップはあるが心優しく美しい人々が暮らす闇田蔵人(アンダーグランド)の二手に分かれていた。白は白鳥楼の“白鳥太夫”、龍はそこの女衒として闇田に暮らし、六条は、碗田の大黒楼楼主、桔梗は“桔梗太夫”として六条の屋敷に暮らしていた。彼らは産まれた時からEDOの住民だが、六条の家来・猛だけは下北沢の記憶しかない。そんな猛は口がきけず白たちに思いを伝えることができないが、橙(赤澤燈)だけは猛の言葉を理解した。今宵は桔梗太夫のお披露目の日。桔梗を囲う六条は、ついに桔梗が自分のものになると喜びを隠せない。だが彼は、桔梗太夫よりも人気の白鳥太夫が目障りで、妓有に白鳥太夫の暗殺を指示する。そんななか、桔梗太夫の花魁道中に集まった民衆は熱狂。花魁道中を見に来た龍と桔梗太夫の視線が絡み、そのあまりに美しく妖艶な桔梗太夫に龍は胸が締め付けられるのだった。桔梗太夫も荒々しく端正な美貌の龍に気を失いそうな程に心を奪われる。瞬間に運命の恋に堕ちる二人。一方、橙は、猛から白鳥太夫が殺されると聞き、白鳥楼に急ぐ……。