「イントルーダー 怒りの翼」のストーリー

1972年、ベトナム戦争下のトンキン湾。米海軍A16型爆撃機<イントルーダー>のパイロットであるジェイク・グラフトン中尉(ブラッド・ジョンソン)は、帰艦直前に味方の誤射によって不慮の戦死をとげた同乗のモーグの妻を慰問するため、隊長のカンパレリ中佐(ダニー・グローヴァー)の許可を得て上陸する。しかしそこには未亡人の姿はなく、代わりに手伝いに来ていたキャリー(ロザンナ・アークェット)という美しい女性がいた。その後、他のクルーや着任間もないコール少佐(ウィレム・デフォー)と共にバーに向かったグラフトンは、酔客と一騒動起こしてしまう。コール少佐の機転で難を逃れたものの、彼の中から仲間を失った言いしれぬ悲しみは消えることがなかった。そんな中、キャリーと偶然再会し恋に落ちたグラフトンは、彼女もまた夫をベトナム戦争で失った傷を持つことを知り、戦地から彼女に手紙を書くことを約束する。血気はやるグラフトンは、コールとコンビを組むことになって、一刻も早く敵の本部のあるハノイを攻撃するべきだと言い立てるが、経験豊富なコールはまだその時期ではないと言って彼を諌める。しかし、次々と戦死してゆく仲間の姿を前に悲しみに暮れるグラフトンを見てコールは自らもまたかつて友を亡くした経験を打ち明け、2人は極秘でハノイ爆撃の計画を練る。3日後、帰艦命令を無視して編隊を離れ、一路ハノイに向かった2人の乗るイントルーダーはハノイのミサイル基地を攻撃することに成功した。しかし、その行動は締結に向かいつつあったアメリカと北ベトナムの和平交渉を破滅へと導くもので、グラフトンとコールは軍法会議にかけられることになる。が、状況の急変にニクソン大統領はついに一斉爆撃を決意する。そんな中、グラフトンの育ての親ともいえるカンパレリ中佐の機が敵陣で捕らわれたとの報がもたらされる。艦内待機の命令を無視してイントルーダーに乗り込んだグラフトンとコール。しかし、その機もまた敵に撃墜され、コールは身動きできない程の傷を負ってしまう。グラフトンもまた、中佐と合流できたものの片足を負傷してしまい、敵はジワジワと2人に近づいてきた。絶体絶命の瞬間、友軍のイントルーダーが現われ、敵陣にナパーム弾が炸裂した。コールは自らの命を犠牲にして敵戦車を爆破。グラフトンと中佐は無事救出された。帰艦して数日後、海軍はコールへの追悼の儀を華やかに開始していった。