「宝石と女賊」のストーリー

女賊ソフィー・ラングは巧みに死を装って正道に帰る決心をし、英国には墓までできた。ある夕方ソフィーは自分の墓の前に立っていた。そこへ若い青年が来て彼女の墓に花束を捧げた。間もなく米国へ渡る汽船のなかにその青年が乗っていた。彼はニューヨークの新聞記者でロースンである。彼は先刻ソフィーの墓前で会った若い美人が老夫人と伴って乗船しているのを見た。老夫人は50万ドルの「クルーガー・ダイヤ」を持って米国へ渡るセドリー夫人である。ソフィーはエセル・トマスと変名して夫人の秘書になっていた。45日の航海中にロースンとエセルは恋し合うようになった。しかしかねて「クルーガー・ダイヤ」を狙っていた大盗マックス・バーナードが乗船していて巧みに夫人に近づき、ついにダイヤを盗んでしまったので、ソフィーは自分の前身を夫人に打ち明けてダイヤを取り戻すといった。夫人は幸いに彼女の更生を認めてくれたので、バーナードがいち早くニューヨークの警察に密告したときも夫人の助けで首尾よく上陸することができた。バーナードが盗んだダイヤをロースンの外套に忍ばせ、彼とソフィーがホテルにいるとき拳銃を擬してそれを奪い、再び警察に密告したがソフィーは巧みに逃れて夫人のところへ帰る。夫人は新聞広告でダイヤを10万ドルで買い戻そうとした。バーナード一味から電話があったときソフィーは夫人に変装して適地に乗り込み巧みな計略をもちいて警官を呼んだ。警察にいたロースンは警官とともに早速駆けつけバーナード等は逮捕され、ソフィーはエセル・トマスとしてロースンの腕に抱かれた。