「最後の命」のストーリー

幼少期に集団婦女暴行事件に巻き込まれた明瀬桂人(柳楽優弥)と冴木裕一(矢野聖人)は、事件の記憶に苛まれながら年を重ねていた。成人した桂人はいまだ事件の記憶を抱え、人と肌を重ねる事に穢れを感じ、目的も無くフランス文学の翻訳作業を続けている。デリヘル嬢や、心を病み入院をしている同級生で恋人の小泉香里(比留川游)との電話という最低限の人との関わりの中で生きる彼の元に、冴木から高校を卒業して以来の連絡が届く。だが7年ぶりに二人が再会した夜、桂人の部屋で顔見知りのデリヘル嬢が殺された。取り調べを受けることになった桂人は、冴木が婦女連続暴行で全国指名手配中の容疑者であることを刑事から聞かされる。やがて、忌まわしき記憶によって人生を歪まされてしまった二人の男たちの心の闇が炙り出されていく……。