「めぐり逢わせのお弁当」のストーリー

インドのムンバイ。お昼どきになると、弁当配達人“ダッバーワーラー”が慌ただしくオフィス街を巡り、お弁当を配って歩いている。主婦イラ(ニムラト・カウル)はある日、冷え切った夫の愛情を取り戻そうと、腕を振るって作った4段重ねのお弁当を、ダッバーワーラーに預ける。ところがそのお弁当は、なぜか見ず知らずの保険会社の会計係サージャン(イルファン・カーン)の元へ届けられてしまう。妻に先立たれて独り暮らしのサージャンは、故郷のナーシクヘ隠居しようと、早期退職を控えていた。近所の食堂に頼んでいる平凡な仕出し弁当が彼の昼食のはずだったが、その日はいつもと違ってとても美味しいものだった。やがて、夕方になると弁当箱が帰ってくる。中が空になったことを知ったイラは作戦成功と喜んだものの、帰宅した夫との会話から、弁当が誤って見知らぬ誰かに配達されていたことに気付く。だが、イラはその謎を解くため、そのまま翌日も弁当をダッバーワーラーに預ける。中にちょっとした手紙を添えて。それに気づいたサージャンも、食べ終わった弁当箱に短いメモを残すようになり、弁当箱を介して2人の交流が始まる。やがてイラは、夫との冷え切った毎日に対する不満を吐露するようになり、サージャンは淡々とそれを受け止める。サージャンも毎日、イラの弁当を待ちわびるようになり、孤独だった彼の心も少しずつ癒されてゆく。その一方でサージャンは、自分の後任として来たシャイク(ナワーズッディーン・シッディーキー)を邪険に扱っていたが、ある昼休み、シャイクにイラの弁当を勧めたことがきっかけとなり、2人の距離が一気に縮まって行く。一方、夫の浮気を疑って沈むイラは、国民総幸福量の高いブータンに一緒に行きたいと手紙で漏らすようになる。やがて求めに応じて名を明かしたサージャンに対してイラは、“私たちは逢うべきだわ”と告げるが……。

今日は映画何の日?

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