「命を賭けて」のストーリー

フィラデルフィアのギャング団のエディ・ダロウ(トニー・カーティス)は、親分の命令でクリスティン・ロウレンス(ジョアン・ドルー)という女を探し出すため香港へ来た。クリスティンはもとエディの恋人だったが、彼に背いて首領マナードと結婚し、マナードが暗殺されるや中国へ出奔してしまった。香港でエディは、クリスティンがマカオにいると聞き、早速マカオに渡って、賭博場リスボン・クラブを訪ねた。そのとき偶然クラブの経営者ジャスティン・キート(ライル・ベトガー)が中国人の暗殺団に襲われているところに出くわし、エディは彼を助けた。エディはジャスティンに誘われるまま彼の家に行くと、意外にもそこにクリスティンがジャスティンの婚約者として住んでいた。ジャスティンはクリスティンの過去を残らず知っていたが、エディと彼女の間の複雑な気持には気にもとめぬ様子で、エディに賭博場の見張り役として働くようすすめた。エディは承諾してクラブで働くうち、中国人のピアノ弾きアラン(ヴィクター・セン・ユン)と親しくなった。クリスティンはまだエディを愛しつづけていたが、米国にいる敵を恐れてジャスティンに頼っていたので、身の安全を計る気持ちと愛情の板ばさみになって苦しんだ。エディは、暗殺者におそわれながら警察にとどけようとしないジャスティンに疑をいだいていたが、ある夜ジャスティンから大金を借りてそれを暴漢に強奪された男が、翌日殺されていたことから愈々その疑を深めた。嵐の夜、クリスティンはエディのアパートを訪れ、2人は情熱に身を任せた。クリスティンは、親分が彼女の帰国を求めているのは、彼女がギャング一味の不正行為をかきとめた書類をフィラデルフィアの保護金庫にあずけてあり、それを奪い返したいからだとエディに告げた。エディはギャング団を裏切り、クリスティンと脱出する決心をした。だがエディにつきまとっていたスパイの妨害で失敗に終り、その上クリスティンは誤解からエディの許を去り、ジャスティンと結婚した。しかしジャスティンがエディを殺そうとしていることを知って、クリスティンの誤解もとけ、彼女はエディとともに波止場へ急ぎ、翌日、桑港に出発する貨物船に乗り込んだ。部下とともに追ってきたジャスティンは、エディと格闘を展開するが、エディは危く逃れてクリスティンと共に船外に脱出した。そのとき、ジャスティン一味が発砲した1弾が積荷に引火して船は大爆発を起し、ジャスティン一味はほろんだ。エディとクリスティンは未来の幸福を胸に、米国へ向かった。