「いつか見た青い空」のストーリー

セリナ(エリザベス・ハートマン)は5歳のとき盲になった。母親の浮気が父に知れたときの大喧嘩のとばっちりで。そのときから1歩も外に出なかったが、18歳になって初めて彼女の手内職の織元に頼んで近くの公園に連れて行ってもらった。木陰の芝生で内職のビーズ刺しを始めたとき、落ちてきた毛虫に驚いてビーズを散乱させた。途方にくれて泣き伏す彼女に若々しい男の声が近づき、拾い集めてくれ、仕事まで手伝ってくれた。こうして彼女は青年の親切が嬉しく、尋ねられるまま何かも話した。彼女と黒人ゴードン(シドニー・ポワチエ)の友情は、毎日公園で会うことで深くなった。彼の話すことがすべてがめずらしく驚異だ。が、ある日、彼の祖母の名を聞いた彼女は、その名が彼女の友人の黒人と同じで彼女は母親から出入り差止めを言い渡されたことを話した。彼にはショックだった。彼はセリナを盲学校にあげようと決心した。彼女はゴードンの手引きでだんだん日常生活へ目を開くようになった。また、彼への恋心も日増しにつのって、1年前に体をよごされたことまで話したのが悔まれてくるのだった。そんなある日、2人で歩いているのを母親にみつかり、ひどく叱られたが、彼女はいつになく反抗した。最近、母親は友人と一緒に赤線業を開こうと計画していたが、セリナも連れて新しい家に移ることになった。その日彼女は1人でゴードンに会いに行った。あなたが黒人であることも知っている、愛しているなら結婚してくれ、と訴えた。だがゴードンはそれをたしなめた。ようやく世の中に出たばかりだ。これから学校に行って、もっと世間を知ることだ。そして1年間、考えてみよう、と。セリナは悲しく「さようなら」を言った。