「偉大な生涯の物語」のストーリー

処女マリア(ドロシー・マクガイア)が神の子イエス(マックス・V・シドー)を生んだのは、ユダヤのベツレヘムの貧しい馬小屋であった。3人の東方の博士たちは救世主の降誕を祝ったが大工ヨセフは身に迫る危険を感じ親子ともどもエジプトへ逃れた。その頃、残忍な野心家ヘロデ王は予言されていた救世主の誕生を知り、2歳以下の幼児をみな殺しにしたが、イエスはまぬがれた。彼が30歳になった頃、ヨハネ(チャールトン・ヘストン) はローマの圧政に苦しむ民衆に天国の到来を告げた--イエスこそ救世主だと。しかし、イエスの御名を讃えるヨハネの名声が我慢ならなかったのは時の王ヘロデである。彼はヨハネを捕えて土牢にとじこめ、彼の妻ヘロデヤは娘サロメをそそのかし、ヨハネの首を所望するのだった。イエスが伝道を開始したのはその頃である。そして12人の使徒をえらんだ。イエスが実現した奇跡は数えきれない。中でも最高のものは死者の復活である。イエスのエルサレム入城--それは民衆のすさまじいまでの熱狂のうちに行なわれた。だが一方、彼に集る民衆の信望を見て、心安からぬ思いにかられたのは、祭司や長老や学者たちであった。彼らにとってイエスの存在は邪教以外の何物でもなかったのだ。そしてイエスは捕えられた。捕えられる前日、弟子たちに囲まれて最後の晩餐をとったイエスは裏切者ユダに、暗黙のうちに悔悟を求めるのだった。処刑の日がきた。十字架にかけられ、母マリアやイエスに仕えてきた女たちの、悲しみと祈りの声の中で、彼は息絶えた。その時、すさまじい雷鳴とともに豪雨となり、暗黒が地の全面を覆った。奇跡である。十字架からはずされ、墓におさめられたイエスは、死の3日目に再びよみがえり、復活の奇跡をなしとげたのである。