「朝日のあたる家」のストーリー

静岡県湖西市。自然に囲まれた美しいこの町に住む平田一家。父・俊夫(並樹史朗)は農業、母・良枝(斉藤とも子)は主婦、長女のあかね(平沢いずみ)は大学生、妹の舞(橋本わかな)は中学生。どこにでもいるような平凡な家族だったが、あかねは、この町が好きではなかった。大きなショッピングセンターがない。映画館やコンサートホールがない。そう思って都会の大学を受験したものの、合格したのは地元の大学のみ。大都会で就職し、一人暮らしすることを夢見ていたそんなとき、大地震に続いて原子力発電所で事故が発生。やがて避難勧告が発令され、避難所へ移ることになる。1日で戻れると思っていたところ、そのまま何ヶ月も帰れないままに。やがて、仕事を失った俊夫に続き、良枝はノイローゼに。さらに舞も病気を患ってしまう。ようやく許可された一時帰宅も1時間の制限付き。許可が下りたのは、荷物を取ってくることだけだった。湖西市は福島と同じ事態に陥っていった。原発事故はもはや他人事ではなかった。あかねたちの家族もまた、大きな悲しみの渦に巻き込まれて行く……。