「イグアナの夜」のストーリー

メキシコ各地を、アメリカのミッション・カレッジの女教師10数名が夏休みの観光旅行を楽しんでいた。18歳の爆弾娘シャーロット(スー・リオン)が混っていたが、ある少年が彼女に熱をあげすぎるというので、母親が預けたのだ。ところが、こんどは彼女が旅行社のガイド、シャノン(リチャード・バートン)に熱をあげてしまった。牧師だったがスキャンダルから、僧衣を脱いで案内人になった男である。一行の監視役フェロウズ女史は、一夜2人が一室に閉じこもったことから、不行跡を旅行社へ報告して彼を馘にすると言い出した。シャノンは生活の根を絶たれることを恐れ、予定を独断で変更、彼女の友人が経営する不便な、土地の旅館へ、彼女らを案内した。だが、運悪く友人は死んでいた。主人にうまく話をつけてもらうつもりだったのだ。だが、一部始終を聞いた女主人のマキシン(エヴァ・ガードナー)は彼の味方をして、フェロウズに反撥した。そんなとき、女画家のハンナ(デボラ・カー)と、その祖父ノンノがやって来た。マキシンの努力にも拘らず、シャノンは旅行社を解雇された。これより先、シャーロットはシャノンに拒否されるとバスの運転手ハンク(ジェームズ・ウォード)と共鳴しはじめ、良い気になったハンクが案内役を気取って、グループを連れ、旅立った。シャノンは馘になって以来、心の平静を失っていたが、ハンナの親切で、徐々に平静さをとりもどしていった。ノンノが死んだ。平和な死だった。マキシンはシャノンを愛していたが、ハンナとの間にほのかな愛情と共感が流れ始めたのを知り、宿を2人に預けて旅に出る決心をした。だが、ハンナはマキシンが心からシャノンを必要としていることを悟り、1人、故郷への旅に発つのだった。