「ラーメンより大切なもの 東池袋大勝軒 50年の秘密」のストーリー

その一杯のラーメンを求め、2時間待ち以上の行列ができる店。かつて、伝説のラーメン屋「東池袋大勝軒」が東池袋にあった。創業から50年に亘ってその店を守り続けたのは、店主・山岸一雄。路地裏の小さな店は行列客ばかりでなく、毎日訪れ、店の手伝いまで始める常連たち、狭い厨房にひしめきあう弟子たちで賑わっていた。そんな彼らが集まる理由はラーメンの味だけではなく、山岸の人柄に惹かれていたからであった。しかし、順風満帆に見えた東池袋大勝軒だが、カメラはやがて山岸の心の奥にある影を捉え始める。店の奥にある閉ざされた部屋。そこは山岸と今は亡き妻・二三子が暮らした部屋があった……。ひたすら味を追い続けた50年。そのうちの25年を幼馴染の妻が支え続けた。そんな中、次々と山岸を襲う病、そして妻の死。心と体の両方の痛みを背負いながら、それでもなお山岸は厨房に立ち続ける。そこには味へのこだわりだけではなく、山岸の人生と愛、彼が信じた人との絆があった……。