「俺はまだ本気出してないだけ」のストーリー

42歳、バツイチの大黒シズオ(堤真一)は、高校生の一人娘・鈴子(橋本愛)、父親の志郎(石橋蓮司)と3人暮らし。「本当の自分を見つける」と勢いで会社を辞めてから1ヵ月経つが、朝から寝転んでゲーム三昧、志郎はそんなシズオに毎日怒鳴り散らしている。ある日、本屋で立ち読みをしていたシズオは突然ひらめき、「俺、マンガ家になるわ」と宣言。根拠のない自信をもとに出版社に持ち込みを続け、担当編集者の村上(濱田岳)に励まされつつ雑誌掲載を目指すも、原稿はすべてボツ。バイト先のファーストフード店でのあだ名は“店長”だが、新人に叱られ、バイト仲間と合コンに行ってもギャグは不発。さらには鈴子に2万円の借金、何かと理由をつけて幼馴染の宮田(生瀬勝久)と飲みに行ってしまう。そんな中、バイト先に金髪の新人・市野沢(山田孝之)がやってくる。初日からやる気がない彼をシズオは飲みに誘うが、宮田の奢りで自分は泥酔。シズオを送った市野沢は大黒家に泊まり付き合いが始まる。しばらく後、市野沢はバイトを辞めてキャバクラで働き始めるが、何かと揉め事が多い様子。シズオも自信作の自伝マンガを持ち込むが結果はボツ。家では志郎と取っ組み合いの大ゲンカになり、シズオは家出。宮田には断られ、市野沢の家に転がり込む。「マンガは本気か、趣味か」悩んだシズオは改めて「デビューしたい」と思い直す。「俺には運がないだけ」と考えたシズオは、占い師(佐藤二朗)に運気の上がるペンネームを付けてもらい“中村パーソン”の名前で描いたマンガが新人賞の佳作に引っかかる。一コマだけ小さく掲載された雑誌を買い占めたシズオ。果たしてシズオにデビューの日は訪れるのか……。