「異教徒の旗印」のストーリー

西紀450年。東ローマが、ローマ皇帝から分離独立しようとしていたころ、フン族の王アッチラ(ジャック・パランス)は大軍を挙げて欧州へ進撃して来た。ある村で捕えられたローマの百人隊長マーシアン(ジェフ・チャンドラー)は、ローマ皇帝の命により、コンスタンチノープルのシオドシアス帝を説いて独立を思い止まらせる使命をおびており、脱走してコンスタンチノープルに赴いた。シオドシアス帝は帝国分裂に反対する妹のプルケリア姫(リュドミラ・チェリーナ)を宮中に軟禁し、マーシアンの言を容れようとしなかった。プルケリア姫はマーシアンに好意を持ち、自分の護衛隊長に任じた。諸国王を招いた大宴会の最中、突然現れたアッチラは贈物にマーシアンを要求し、彼からローマ軍の戦技を学んだ。アッチラはローマ進撃をやめさせようとするプルケリア姫を愚弄し、シオドシアス帝とは不可侵の密約を交してローマに向かったが、彼の本心はローマ征服後コンスタンチノープルを攻撃するつもりであった。アッチラの計画を見破ったマーシアンは帝に警告してかえって投獄されたが、脱獄してプルケリア姫と反乱を起こし、シオドシアス帝を退位させた。そして姫を摂政とし、自分は将軍となってローマ救援に出発した。アッチラの娘クブラ(リタ・ガム)は秘かにマーシアンに思いをかけていたが、総攻撃の前夜、ローマ城内にマーシアンを訪れ父の計画を告げた。アッチラは娘の裏切りを知って彼女を殺したが、いつとはなくキリスト教に畏れを抱くようになり、攻撃すべきか否か迷った。占星師は攻撃を中止せよと予言した。アッチラは突如退去を命じ、その大軍は北方へ移動した。マーシアンはすぐ敵の退路を断って潰滅させ、アッチラは名もなき奴隷女に刺されて一命を失った。かくてマーシアンはプルケリア姫と結婚し、ローマ帝国のもっとも賢明な皇帝として謳われた。