「異教徒」のストーリー

洋々たる紺碧の海に浮ぶ南洋の一小島、そこには椰子が実り、珍しい果実が豊富に、大自然の姿そのままに未だ文明の波の影響を受けぬ平和な天地であった。しかし白人の往来漸く繁くなり、貿易船が時折訪れるようになった。島には白人との間に生まれたハーフのヘンリー・シュースミスが豊かな財産を持って怠惰の日を送っていた。この島に流れ着いたアドレは闇に咲く女であるがヘンリーに想いを寄せていた。しかし彼には恋する乙女がいた。白人貿易商のスレーターの養女ティトで、狡猾なスレーターは巧みにこれを利用して法律に無知な彼からココナッツの採取の承諾を得、ついには独占権を譲るとの証書に署名をさせた。彼はヘンリーを説いて商売をさせ、繁盛すれば娘をやらぬものでもないと言ったので怠け者のヘンリーはそれを唯一の楽しみに商売を励んだが、何も知らぬヘンリーは徒に銀行から多額の金を借りだすばかりであった。然るにその金はすべて悪辣なスレーターの手から出ていたのでついに家も財産も彼のために奪われてしまった。その上に野心を持っているスレーターは彼にティトを渡すのがいやさにティトと結婚せんとするが、ヘンリーは彼女を奪って山中の小屋に逃れた。しかしティトは間もなくスレーターの一味に捕えられ船に連れ戻された。ヘンリーはこれを知って彼らの跡を追い船に泳ぎついた。そこには汚れた女アドレもいた。ヘンリーはスレーターと格闘してティトを救い、二人は泳いで逃げると、スレーターがボートで必死と追いかける。その時突如鮫が現われ危機身に迫ったので、彼らは詮方なくボートの方に泳ぎ戻ってきた。スレーターはティトだけを救いヘンリーを亡き者にせんとしたが、彼は巧みにこれを避けつつ隙を見てボートに乗り移る刹那、ボートが傾き、スレーターは過って海中に落ち却って鮫の餌となった。かくてヘンリーとティトの上に幸福がもたらされた。

今日は映画何の日?

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