「家なき少年群」のストーリー

エディーとトミーとはある田舎の中学校の同窓で仲良しだった。が、トミーは貧乏で寡婦の母親は慈善事業の会から施しを受けてその日を暮らしているのだった。これを知ったエディーは友達の身の振り方を父親に頼もうとしたところ、ある夜、エディーがらんちき騒ぎの後に家へ返ると、自分の父親もまた勤めから解雇されて年は年だし、一家の行く末を母親と共に心痛している有り様を見た。エディーとトミーとはこの町にこれ以上いることははなはだ親たちの苦労をますだけの物であるとしって、そこで2人して他の町へ仕事を探しに出奔することとなる。が、無論、1文もない少年同志のこととて2人は貨物列車に無賃乗車をしたのであるが、この列車の中でこれも同じ運命にある男装の娘サリーと知り合いになった。サリーはシカゴにいる叔母を頼って家出したのである。2人もサリーの勧めるままに彼女の叔母の厄介になることに決めて、さて叔母の家へついたが、この叔母というのが魔窟の経営者であったので、3人が到着と同時に、同所は警官に踏み込まれ、危うくそれを逃れた3人はまた職を求めて町から町へ、貨物列車に乗って浮浪して行くこととなる。そうしている間に、彼らのような少年たちはいつしか隊をなす様になり列車には浮浪の少年たちが山と乗り込む様になった。で、政府でもこの状態は捨てておけず、沿線各所に警官のキャンプを設けてされに取締を厳重にしたのであったが、少年群の方でも、いつしか警官隊と争闘して進路を続けて行くことを習い覚えてしまった。が、そうした騒ぎの最中にも、少年群の方にも犠牲が多く出た。ローラという娘は制動手に暴力で辱められ、この敵は少年等が打ったが、トミーの方は警官隊を逃れる際に汽車にその右足を轢かれ取り返しのつかぬ片輪となってしまったそんな事件があった後、少年の1隊はニューヨークに到着し、この市の塵埃捨て場に1村落を構え、そこで職を探しつつ、乞食や泥棒を働いて日を送り始めた。が、この鉄管村の存在も長くは続かず、やがて、彼らは武装した警官隊によってそこから追い払われた。でもエディーはそれからエレヴェーター・ボーイの職に有りついたが、その制服を買う金を得るために知らずにギャングの一味の手先に使われて、サリー、トミーと共に警察に挙げられた。そして3人は少年裁判所に送られたが、事情を察した判事の情によって、3人とも職を与えられることになった。景気はやがて回復するだろう、これがその時の判事の言葉だった。