「愛と喝采の日々」のストーリー

オクラホマ・シティ。ウェイン・ロジャース(トム・スケリット)と妻のディーディー(シャーリー・マクレーン)との間には長女エミリア(レスリー・ブラウン)、長男イーサン、二女ジャニナがある。この2人は元アメリカン・バレエ団のダンサーであったが、ディーディーがウェインとの恋愛中に妊娠したために正式に結婚し、バレエ団から身を退いたのだった。エミリアは容姿も美しく、父母の血をひき、バレリーナになる才能を充分に具えていた。オクラホマ・シティにアメリカン・バレエ団が2日間の公演を行なうためにやってくることになった。アデレイド(マーサ・スコット)をオーナーとするこのバレエ団の1人エマ(アン・バンクロフト)はディーディーの親友であり、ディーディーがプリマ・バレリーナをやめたのはエマに勧められてエミリアを生んだからであった。エマはディーディーに代って舞台でアンナ・カレーニナの役をやり、プリマ・バレリーナの地位にのぼることができたのだった。ロジャース一家は、この公演をこぞって見に行き、ディーディーは久方ぶりのエマの舞台姿に感激するが、内心には複雑な思いが交錯していた。エミリアがエマに勧められ、ニューヨークに滞在するアメリカン・バレエ団に入ったのはそれから間もなくであった。夏のシーズンを控え、エミリアは「ジゼル」で初舞台を踏むことになった。そして団員の1人で、ソ連生まれのユリを知り、愛するようになるが、キャロリンというバレリーナといい仲になったということを知り、失望する。エマはそんなエミリアをやさしく慰め、だんだんと2人の仲は深まっていく。やがてバレエ団が4年毎に行なうギャラ公演の日が近づく。エマはこれに出演するエミリアに衣裳を贈るが、このことでエミリアとディーディーの間に微妙な亀裂ができてしまう。ディーディーはエミリアをエマにとられたくない気持でいっぱいだったのだ。そして、第25回ギャラ公演でエマは「アンナ・カレーニナ」に、エミリアは「ボーテックス」に出演し喝采を浴びた。公演が終り、ホテルのバーでディーディーがエマに会った時、2人が互いに抱いていたライバル意識があからさまに爆発する。ディーディーは、エマが20年前、自分とウェインを結びつけることにより「アンナ・カレーニナ」に出演できたのだと言い、それに対してエマは自分の方がまさっていたからだと答え、ついには、ハンドバッグでの殴り合いがはじまるが、それもやがては笑いに代わる。一方、エミリアは念願のユリとの共演が大成功に終り、ユリも気持もとりもどし、プリマ・バレリーナとなる第一歩を踏み出すのだった。