「アンナとシャム王」のストーリー

1862年、若い未亡人アンナ・オウエンス(アイリーン・ダン)は、はるばるイギリスからシャムのバンコックにやってきた。息子ルイ(リチャード・ライオン)がアンナの唯一の身よりで、まだ少年ながらも、やはり彼女には頼りでもあり、慰めだった。アンナはシャム国王モンクート(レックス・ハリソン)の百人の王子と、その母を教育する契約を結んでいた。出迎えたのは宰相クララホーム(リー・J・コッブ)で、彼はモンクート王が彼女を引見されるまで、アンナを後宮の一室に住まわせる。すぐにも王に会えると思っていたアンナは、目通りするまで何か月も待たなければなかなかった。初お目見得の日、アンナはシャムの習慣の、土下座して叩頭することを肯んぜず、西欧風の礼儀であいさつした。王はアンナをお気に召して、早速自ら宮殿内を案内して、愛妾とその子たちにアンナを紹介する。その中には世継ぎの王子チュラロンコーンと生母チアンがいた。王自らが学校開設に熱心なことに、生徒たちは皆驚くのだった。アンナは王宮の外に自分の住居を欲しいと願ったところ、魚市場の中の汚い家をあてがわれる。憤慨したアンナは生徒に毎日「ホーム・スィート・ホーム」を歌わせ、これにまいった王は別の家を用意させる。しかし王の蛮行に失望したアンナは帰国を考えるが、クララホームがシャム近代化の成否はアンナの双肩にあると言って止める。ところがアンナと王は、また衝突してしまう。原因は、王の新しい寵姫タプチムが、自由を買った彼女の奴隷を解放しないことだった。アンナの口出しに王は烈しく怒るが、結局タプチムに奴隷の解放を命じるのだった。次第に王は、アンナに何事でも相談するようになり、晩さん会でも料理や招待客のことまで相談し、西洋式を採用して来客一同を驚かせる。その後しばらくして、タプチムが王宮を逃げ出す。一方的な裁判で、タプチムは生きながらにして火刑に処されることになる。アンナは抗議したが効果はなく、王はアンナの部屋の外で処刑して、王の権威を示す。アンナがシャムを去る準備をしているその時、チュラロンコーン王子と森の中で馬を駆っていたルイが、落馬して死んでしまう。王は国中に一日服喪を命令し、タプチム処刑のことは後悔しているとアンナに言伝える。アンナは帰国を思いとどまり、ルイの親友だった王子の教育に努力して年を経た。月日は流れ、ある日モンクート王は急死するが、臨終の床でアンナに心からの感謝の言葉を伝え、瞑目した。王子チェラロンコーンは王位に即き、古来の蛮風を捨て、近代的制度に改革すると宣言。その時アンナの眼に感涙が光った。

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