「暗黒街のエース」のストーリー

バイカウント(子爵)とあだなされ、色事にかけても犯罪捜査にかけても超一流の腕をもつクリント・ド・ラ・ロシュ(カーウィン・マシューズ)は、パリの銀行で起こった盗難事件の犯人探索を依頼されアシスタントのビレット(ジャン・イアンヌ)をともなってパリへやって来た。2人はさっそくストリップ・クラブに行きダンサーのリリー(ジェーン・フレミング)と会い、彼女と同室だった踊り子タニアの死の真相を訊く。それによるとタニアは、襲われた銀行の取締役を色仕掛けで油断させ、地下金庫の鍵を盗み、それを情夫ドモワニュ(フェルナンド・レイ)に渡したのだが、報酬は死だったというのだ。銀行強盗の犯人はドモワニュに間違いない。事件はいとも簡単に解決したかにみえた。が、クリントの安心をよそに事件は思わぬ方向に発展した。というのはドモワニュは金庫破りの折、現金のほかに倉庫内に隠されていた多量の麻薬を持ちだしていた。この麻薬は、実はドモワニュの宿敵バロン(エドモンド・オブライエン)が一時的に隠匿をはかったものだったのである。ドモワニュが犯人だと知らないバロンはクリントに接近してきた。クリントが捕らえる犯人を、警察へつき出すまえに買いとろうというのである。一方、麻薬がバロンのものだと知ったドモワニュは、クリントに仲介を頼み、麻薬をあらためてバロンに売りつけようと懸命だった。そこでクリントは両者を対決させ一網打尽にと考え、ドモワニュの別荘で2人を会わせることにした。武装した手下たちを別荘のまわりに待機させたバロンと、内側から同じ態勢をとったドモワニュの対決が始まった。と、その時ビレットが発電器をショートさせたため双方入りみだれての大混乱に。その混乱に乗じて、クリントはみごと2人を捕えるのだった。

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