「アルプスの悲劇」のストーリー

ウィーンでキリスト聖體節の式典が催された時、伯爵フォン・ウィルデリーベ・ラウフェンブルグ(ジョージ・フォーセット)の息子ニッキー(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)は、旅館の娘ミッチー(フェイ・レイ)と知り合い恋に落ちる。この噂が間もなく人々の口の端に上り始めたので、ミッチーの母親は2人の仲を裂こうと苦心する。丁度肉屋のシャニー(マシュー・ベッツ)がミッチーに恋い焦がれていたので、娘を彼に娶せようと母親は腹をきめる。一方ニッキーの両親も息子の情事を阻止するため、また自分たちの晩年を安穏にせんがため、膏薬成金として有名な平民のシュヴァイッセル(ジョージ・ニコルズ)の娘セシリア(ザス・ピッツ)を、多額の持参金と共に嫁に迎えることを決めてしまう。ニッキーを以前から慕っていたセシリアは、大喜び。かくてニッキーは、心ならずもセシリアとの結婚を承諾する。結婚式の日、彼は式場の出口に泣きぬれて立つミッチーの姿を見る。ニッキー夫婦の新婚旅行地は、アルプス山中にあるラウフェンブルグ家の別荘だった。だがミッチーを忘れることの出来ないニッキーは、不具のセシリアが自分に熱愛を捧げていると知ってはいても、それに応えることを両親が許さない。一方ミッチーの母親は、娘を無理矢理シャニーと結婚させようとする。けれどもその結婚式の最中、ミッチーは余りの悲しさから人事不省に陥ってしまう。ミッチーが未だニッキーを愛していることを悟ったシャニーは、ニッキーを殺害しようとアルプス山中に向かう。正気に戻ったミッチーもニッキーの身に危険が迫っていることを知るや、後を追う。シャニーより先に山小屋へ辿りついたミッチーは、ニッキーにすべてを話す。その様子から2人が恋仲であることを知ったセシリアは、シャニーが窓辺に現われニッキーに発砲した時、彼をかばって命を落とす。シャニーも追跡者によって射殺された。事件は片づくが、ミッチーは愛するニッキーに別れを告げ、尼寺に入るのだった。