「アルプスの血煙」のストーリー

ナポレオン戦争時代の物語--フランス軍は破竹の勢いで国境チロル地方へ殺到し、同地を占領しようとしていた。1809年の夏、医学生のセヴラン・アンダーラン(ルイス・トレンカー)は大学が閉鎖されたので、故郷チロルへ帰ることになった。フランスとバワリア連合軍の横暴が、彼を家へ呼び戻したのだ。母と妹はセヴランを待っていたが、もはや古いアンダーランの家を守りきれなかった。故郷の山に近づいた時、セヴランは新たにチロルに転任される。そこでバワリア執政官リーデルラー(パウル・ビルト)の美しい娘エリカ(ヴィルマ・バンキー)に出逢い。2人は互いに惹きつけられる。しかし、明け方、セヴランが懐かしいわが家の前に立った時、もはや懐かしき家は廃虚となり、農場は荒らされ、住人は殺されていた。恐怖と失望に包まれて煙のさめやらぬ廃虚の間をさまよっている時、セヴランはナポレオンの龍騎兵の足音を聞き、怒りのままにその2名を殺した。龍騎兵に追われながら、セヴランは命からがら逃れた。やがて、町々には懸賞金付きセヴラン逮捕のポスターが貼られた。セヴランは山に立て篭もり、チロルの自由のために闘う決心をした。エリカはセヴランの心持ちを理解し、父やルロイ大尉(ヴィクター・ヴァルコニ)の目をかすめて食糧を彼に供給しつづける。セヴランは暗夜に乗じてリーデルラーの家へ忍び込み、ナポレオン軍からの指令を調べようとするが、エリカと共にルロイ大尉に発見される。ルロイもまた、エリカを愛していた。セヴランは逃れた。新しいフランス軍は進軍して来た。フランス軍の将軍がインスブルックへ到着し、兵士らをねぎらう舞踏会が催された。セヴランはバワリアの大尉に変装して現れ、舞踏会で催される軍事会議に出席し、フランス軍の秘密を知る。セヴランは逃げ、チロルの人々に立てと呼ぶ。チロルの山々に狼火が挙がった。鐘は谷から谷へとこだました。朝の静寂は戦いの音に破られた。チロル人とフランス・バワリア連合軍との戦いは続いたが、チロルは敗れた。軍法会議の中庭で、セヴラン・アンダーランと2人の仲間は銃殺された。だが彼の祖国愛は死してなお消えず、英霊は昇天して永えにチロル万歳を唱えるのだった。

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