「大学の人気者(1935)」のストーリー

ジョン・ロバーツ第二世はフェアフィールド大学の二年生、学校きっての人気者だ。彼の弱点は同窓のマリアンという妖婦型の美女である。彼の父ジョン・ロバーツ第一世は、ロバーツ人形会社の社長で、亡き愛妻に生き写しの親類の娘イディスを息子の嫁にするつもりでいる。イディスはマリアンと寮でも同室している秀才だが、ジョン第二世はイディスを妹扱いにして眼中に置かない。このまま放っておけば、ロバーツ家の財産目当てのマリアンに騙されて第二世は結婚してしまいそうな形勢である。という情報がジョン第二世と共に入学して落第したビンキイから、ビンキイの父パーカーの許にきた。パーカーはロバーツ人形会社一の番頭である。で、息子思いのジョン第一世は、息子を監視する為に世間の物笑いとなるのを覚悟で、フェアフィールド大学に入学して、一年生となる。そして息子とイディスを接近させる工作に取りかかった。所が堂々たる実業家が、商売をよそにして学校ごっこを始めたというので、ロバーツ人形会社は信用がた落ち、従来のお得意先も、注文を控えるという有り様。驚いたのは副社長ロシューである。パーカーを引き連れて大学へ乗り込み、ロバーツ老を引き戻すか、さもなくば社長ロバーツの持ち株を買収してしまう意気込み。一方ジョン第二世は父の苦肉の策も水の泡で、マリアンと共に大学を退学し結婚する約束をしてしまう。息子が未成年なら許さない、ともいえるが親父殿もせん術はない。丁度その晩乗り込んできたロシェーはロバーツ老の特殊買収談を始める。その話を聞いたマリアンは、ロバーツが破産に瀕しているならジョン第二世と結婚するのは飛んで火に入る夏の虫だ、と考える。そして早速、駆け落ち支度をしている彼氏に婚約破棄を申し渡した。手を返すマリアンの態度に、ジョン君は彼女の本心を悟って迷夢が醒めた。息子の眼が開いたので、買収談はご破算にしてロバーツ老は退学して商売に専心することとなり、第二世はイディスの美しさをあらためて認識して、めでたく大団円。