「太平洋攻防戦」のストーリー

トミー・オトゥールは、自惚れの強い生意気な青年であったが、飛行家にしては、天才的技能を持っていた。彼と同郷で、彼を弟のように愛していたブラニガン中尉は、彼の技量を認めて、彼を、海兵隊所属の飛行学校の生徒に推薦するが、入学の当日、トミーは自分の飛行機に乗って、海兵隊本部の上空を縦横に飛び回り、海兵隊幹部の心証を損ねてしまう。ブラニガン中尉はトミーに対して軍規の神聖を説くが、傍若無人のトミーはそれに従わないので、彼は次第に同僚にも嫌われる様になる。しかしトミーは、自覚するところ全く無く、ブラニガン中尉の許婚ベティー・ロバーツの店に行っては、失敬な振る舞いをしていた。ベティーは全く困り、ブラニガンに訴えたので、ブラニガンは、再びトミーに注意したが全く役に立たなかった。そのうちに、試験飛行の日が来た。トミーはブラニガンの同乗で飛び出すが、彼らの機は上空で自然発火した。危険を見たブラニガンは、落下傘で飛び下りるが、トミーは燃えつつある機体を巧みに操縦して無事着陸に成功する。そのため彼は一躍名を上げたが、それによって、彼の自惚れはますます高ずるばかりであった。そしてベティーは2人が喧嘩してはブラニガンの名に傷が付くので、ある晩トミーをブラニガンの眼からかくまうが、トミーはベティーが自分を愛しているからと思い違いする。トミーは、試験に及第し、少尉に進級した。そのとき、政府から、海兵隊に命令が下った。即ち、青軍は、太平洋上にある米土本進行に向かう。海兵隊は攻撃軍として航空母艦サラトガに乗艦すべし、というのである。米国全艦隊を挙げての作戦が開始され駆逐艦隊と、航空隊は、敵国に一大煙幕を展開した。敵前上陸の準備工作である。トミーとブラニガンは、その時攻撃機を操縦して敵前上陸の終わる頃、密雲のごとき煙幕の中で僚機と空中接近をして、翼を半分飛ばされてしまった。トミーはそれに驚愕し、機を見捨てて飛び下りようとするが、ブラニガンは彼に操縦を命じ、自ら翼のうえに這い出て、機の平衡を保ち、無事に着陸する。それには、さすがのトミーも敬服したのであった。ブラニガンはベティーが何時か若いトミーに恋していることを知るや、彼女とトミーの幸福を祈って、他部隊に移動を願い出て去ったのである。