「在りし日」のストーリー

マルセイユの港に船員相手の酒場を開いているポリー・パール(ノーマ・タルマッジ)は、ある夜、求めらるるままに数奇な身の上を語る。その物語とは以下のものだった。彼女はもとロンドンの小さな劇場で評判の踊り子であり、富豪の息子レオナルド(ウォーレス・マクドナルド)と恋に落ちて結婚した。ところが頑固なレオナルドの父(ブランドン・ハースト)の反対にあい、2人はモンテ・カルロに走って一獲千金を夢みたが、逆に持金を全部失ってしまった。あまつさえレオナルドは他の女に心奪われて、ポリーを棄て去ってしまった。それから彼女には、惨めな生活が続いた。レオナルドとの間にもうけた子供を育てるため、ポリーは再び舞台に立って歌う身となった。その間にレオナルドは死んでしまう。その父親がポリーの許を訪れて、子供を引取りたいと強要する。彼女はこの冷酷な老人に我が子を渡すに忍びず、ロンドンへ帰国する牧師の老夫人に子供の保育を依頼し、将来を託した。その後、数年が経ったが、彼女は未だに我が子と再会していない。ポリーがようやく追憶の涙と共に語り終えた時、酒場に来ていた英国の兵士のうちひどく酒に酔った者が喧嘩を始め、その1人が誤って友を殺してしまう。その兵士こそ、ポリーの息子だったのだ。そして彼は、母であるポリーが身代りに立とうとするのをしりぞけて、自ら潔ぎよく処刑を受けるべく警官に曳かれて行くのであった。