「対決(1972)」のストーリー

ニューメキシコのカンブレスに向かう列車が強盗団に奇襲された。襲ったのはアート・ウィリアムズ(ドナルド・モファット)、ペリー、マイクの3兄弟とビリー・マッセイ(ディーン・マーティン)だった。一味は人気のない所へ逃れると、リーダー格のアートの采配で獲物を配分することになった。ウィリアムズ兄弟はその大半を兄弟でせしめ、ビリーには申し訳程度しか与えなかった。彼はこの一味では新顔だったのだ。腹を立てたビリーはマイクを射殺すると、2兄弟を残し、獲物を全部奪って逃亡した。その頃、列車はカンブレスに到着し、ビリーの顔を覚えていた乗客が保安官のチャック・ジャービス(ロック・ハドソン)と地方検事のウィルソン(ジョン・マクリアム)に証言した。ジャービスは自分の耳を疑った。ジャービスとビリーは幼な友達で一緒に成長し、今も無二の親友だった。一人の娘ケイト(スーザン・クラーク)を二人で愛したが、ケイトがジャービスを夫に選んだとき、ビリーは町を去ったのだ。追跡の旅に出るジャービスの心は重かった。その追跡には、ビッグ・アイを始めとする3人のインディアンが加わった。一方、自分を追跡する保安官がジャービスだとは知らないビリーは、隠れ家を求めてジャービス牧場へ急いだ。驚きい声も出ないケイトにビリーはやっと事情を説明したが、既に追跡隊が牧場に迫っていた。終生の友は互いに向かい合った。ビリーは総てを打明けた。酔って悪党の列車強盗に加わる約束をしてしまったこと、それが初めての経験だったことを。ジャービスは彼に自首を勧め、ビリーはそれに従った。ビリーは盗品を返して牢に入ったが、判事は1週間程町を留守していた。ジャービスとケイトも数日間、町を離れて旅に出ることになっていた。その間サディスティックなウィルソン検事はジャービスが町に戻る前にビリーの裁判を終わらせようと、判事を呼び戻す手配をし、牢の前に絞首台を作った。そのことを知ったビリーは脱獄、再び盗品を奪いメキシコに向かった。電報でそのことを知ったビリーは再度、親友の追跡を開始した。さらにその後にウィリアムズ兄弟が続いた。やっとジャービスとビリーが対決したとき、四方から二人を狙って撃ってきたのはウィリアムズ兄弟だった。今や二人は共通の敵と闘わねばならない。死闘の果てに悪党一味は全員射殺され、ビリーも倒れた。ジャービスはビリーの死体をポンチョで包むと、川に流した。頭上に舞う禿鷹の群れに見つからぬようにと祈りながら…。