「空の鍛冶屋」のストーリー

ブロンディとスリムとは仲の良い敵同志であった。彼ら2人は、新築中の大ビルディングの鉄骨の上、空中高くで毎日仕事をしていた。彼らの生活はその仕事の危険さにもかかわらず陽気であったが、時に椿時が出来しては、彼らの心を暗くするのであった。例えばレッドの墜死のごとくにである。ブロンディとスリムとが鉄骨を頂上に運ぼうとしていた時、その鉄骨が地上にズリ落ちた。ブロンディとスリムとは、間一髪にしてその下敷きとなろうとしたサリーという若い女を救った。2人はそれからサリーが好きになって互いに彼女の御機嫌をとろうと競争し始めた。サリーはその際に偶然のことからコーラス・ガールの仲間に入れられ、ブロンディやスリムの働いている建築場の向側の屋上で稽古やっていた。ブロンディはサリーを遊びにさそったが、サリーの友達のジェーンが、彼が己をさそったのだと間違えたことから、ブロンディはジェーンと、スリムはサリーと連れだって遊び場に出かけて行くハメになった。が、その夜も更けた頃にはブロンディはサリーと恋を語っていた。その後、サリーが巡業に行く前日、ブロンディはスリムを救ったためにかえって自ら足をくじいてしまい、彼女と会う機会を逸して、彼女から誤解を受ける。また日がめぐって、サリーは都へ帰って来たが、不具になったブロンディは固く己れの心を閉ざして彼女に素気なくした。それを見て苦々しく思ったのはスリムで、しきりとブロンディを励ました。そして最後には彼はサリーに恋をしかけているようにまで見せかけた。この頃にはブロンディもスリムに励まされて、やっと体が回復していた。そしてスリムを懲らさして立ち上がった。スリムはブロンディに殴られながらも、友達の体が癒ったのを知って喜んだ。サリーも恋の復活を喜んだ。