「愛する時と死する時」のストーリー

1994年、早春。ドイツ軍のロシア戦線での敗退は既にはじまっていた。エルンスト・グレーバー(ジョン・ギャビン)が3週間の休暇をラーエ中尉からうけ、2年ぶりに死の戦場を後にしたのはこんな時だった。しかし、故郷の町は廃墟と化し、人々はゲシュタポの恐怖におびえ、父母の行方は不明だった。同じように妻の行方を探す帰休兵ベッチャーによって陸軍病院に宿を得た彼は、母の主治医だったクルーゼ医師を訪ねた。しかし彼はゲシュタポに連れさられ、娘のエリザベート(リゼロッテ・パルヴァー)が、当局のスパイ、リーザー夫人(ドロテア・ウィー)の監視のもとに暗い日々を送っているのみだった。力無く歩む彼を、かつての学友で、今はナチ親衛隊幹部のオスカー・ビンティングが自宅に招いた。かつて叱責をうけたポールマン教授(エルリッヒ・マリア・レマルク)を部下に監視させているという彼の言葉に、エルンストは暗然とした。エルンストはエリザベートと恋におちた。病院のロイター伍長は、2人に高級レストランでしばしばの夢を酔う機会を与えてくれた。こうして2人は困難をおし切って結婚した。疎開していた父母からの連絡もついた。しかし休暇の残りはもう少ない。妻を残して死の戦場に戻らねばならぬ苦悩を、エルンストはポールマン教授にうちあけた。ゲシュタポからエリザベートに出頭命令がきた。空襲で彼女の部屋を焼かれた2人が、恐る恐る出頭して渡されたのは、葉巻の箱に入ったクルーゼ医師の遺骨だった。エリザベートはウィット夫人の料理屋の2階に新しい下宿をみつけた。エルンストは戦場にもどり、惨憺たる様相の所属部隊に合流した。エリザベートから子供が生まれるとの便りがあった。再び退却がはじまった。ゲシュタポのシュタインブレナーが3人のロシアの農民をゲリラと称して射殺した。思わず、エルンストの銃は彼に向かって火を吐いていた。他の捕虜を逃して、エルンストは呆然と歩を進めた。しかし、捕虜の1人がシュタインブレナーの銃をひろって、それで彼を射った。小川におちたエリザベートの手紙に手をさしのべながら、エルンストは息絶えた。

今日は映画何の日?

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