「底抜けてんやわんや」のストーリー

スタンリー(ジェリー・ルイス)はマイアミの豪華なホテルの給仕だ。彼は口笛を吹くが口をきいたことがない。彼は仕事熱心だが時々失敗をしでかした。スタンリーにはお客の犬を散歩させる仕事があった。犬どもはいつも彼をさんざん手こずらせた。ある日、昼食をしていると、ヤクザの喧嘩にまきこまれた。ほうほうの態で逃げ出し、プール・サイドのお客に日光浴の世話をしてやり顔に日やけを作ってどなられた。お客にズボンのプレスを頼まれた。洗濯屋に行く途中、オーケストラに入りこみ指揮棒をとって道草を食い、とうとうズボンのプレスが間にあわず、またまた大目玉――。プロ・ゴルフの試合が終盤戦に入った。ミドルコフが優勝を賭けて最後のパットに向かった。そこへスタンリーが写真機を持ってのりこんだ。シャッターの音がミドルコフの気持ちを乱し、とうとう彼は優勝を逸してしまった。――スタンリーの失敗は数えたらキリがない。彼にいわせれば仕事熱心のあまりだった。給仕のストライキも彼が首謀者だとみなされる始末。スタンリーは今日も口笛を吹きながら、黙々と仕事に専念していた。