「底抜け大学教授」のストーリー

ケルプ教授(ジェリー・ルイス)は化学の虫で、頭は強いが腕力はからっきし。あんまり学生にナメられるのを気の毒に思った女子学生のステラ(ステラ・スティーヴンス)の勧めでボディ・ビルを始めるが、効果はサッパリだ。そこで今度は生物学教室の文献をあさり、あるクスリを発明して飲んでみると、たちまちたくましい男に変容する。学生集会所へ出かけても誰も教授とは気がつかず、ワーシェフスキーら蹴球の猛者連中を尻目にかけて、ステラとダンスに興じた。たちまちケルプは“バディ・ラブ”と呼ばれて、学生連中のリーダーとなる。だが、このクスリの効目がきれると、たちまちもとの弱虫教授に逆戻りするから油断できぬ。かくて昼はケルプ教授、夜はバディ・ラブという生活が続く。ステラは教授に同情をよせつつ、バディ・ラブにも妙に心をひかれる。大学名物のダンス・パーティ・バディ・ラブとしてバンドの指揮をとり、拍手喝采を浴びたのはよかったが、突然、“教授”が戻ってきた。もう言い逃れはできず。ケルプはステラに事実を打ち明けた。「教授になるかバディ・ラブになるかを自分で決めるのよ」とステラは言ったが、彼女の希望が、彼の教え子として学問をすること、そして彼の妻になること、と分かれば、それで万事は解決した。ところで、久しぶりにケルプの両親が大学へ訪ねてきた時、昔と正反対に父が威張って、母がいうなりになっていた。ケルプが、そのクスリをひそかに両親に送っていたのである。