「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」のストーリー

紀元689年、唐王朝の時代。皇宮のある洛陽の都では、天にも届く巨大な仏塔“通天仏”の建立が着々と進んでいた。弥勒菩薩像をかたどった通天仏は、則天武后(カリーナ・ラウ)の顔を模しており、それが完成する日、彼女は中国史上初の女帝の座に就く。つまり、通天仏は最高権力者の象徴だった。しかし、そんな記念すべき日を前に、武后の権威を脅かす不可解な殺人事件が頻発していた。それは、突然、人体が炎を発し、真っ黒な灰と骸骨だけを残して焼き尽くされるというものだった。犠牲者がすべて政権に関わる重要人物であることから、犯人が武后の権威に挑む反逆者であることは明らかであった。その謎を解明するために牢獄から呼び戻されたのは、判事ディー・レンチェ(アンディ・ラウ)。類稀な知性の持ち主で、武術の達人でもあるディーは、8年前、皇帝の死を機に権力を握った武后を非難して投獄されていた。しかし、事件を解決できるのはディーしかいないと考えた武后は、美しい側近のチンアル(リー・ビンビン)を監視役、野心家の司法官ペイ・ドンライ(ダン・チャオ)をその補佐役に任命。ディーは自身に疑念を抱く2人と共に捜査を開始する。犠牲者が焼死した通天仏の構内を調査したディーは、8年前に一緒に投獄され、片腕を失った旧友シャトー(レオン・カーフェイ)と再会。通天仏建立の現場監督を務めていたシャトーは、犠牲者が発火、炎上する現場を目撃していた。彼の言葉を手掛かりに、裏社会の情報屋が潜む地下世界“亡者の市”に足を踏み入れることになった3人に、次々と刺客たちが襲いかかる。化身術の使い手である宮廷侍医・ワンポー(テディ・ロビン)を救出した3人は、人体発火のトリックを突き止める。だが、事件の裏には、王朝の権力を巡る恐るべき陰謀が……。果たして誰が味方で、誰が敵なのか?明かされる真実とともに、通天仏を舞台にした最大級のクライマックスを迎える……。