「世界の寵児」のストーリー

ジョン・ハートはある銀行支店の出納係で料理店の女給仕メエリー・ケリーと結婚しようとしている矢先、支配人の機嫌を損ねて首にされた上、貯金全部で彼には覚えのない行金の不足額を弁償させられた。そこで結婚も田園生活もおじゃんになった許りでなく、ジョンはメエリーとチョビ髭を生やせ生やさぬで喧嘩してしまった。メエリーは怒って下宿を引っ越し勤め先の料理店も他の店に鞍替えしたのでジョンは彼女を探し歩いてある日中央公園でバッタリ出逢った。彼は文無しになっていたがメエリーの同情金を拒み、遂に某映画プロダクションのエキストラに応募した。するとその日出勤しなかった色敵役にジョンが似ているというので本職に雇われることになった。監督と宣傳係と制作者は彼を利用すべく、先ずドン・ジュアン・ハルテスと名乗らせた。そして有名な妖婦女優ジルダ・ラブレイと結婚して其の翌日離婚した。新聞は早速其の記事を掲げた。かくてドン・ジュアンは続け様に七度結婚して七度離婚した。そして宣傳係は第八番目の妻を探した。しかしジョンは密かに度々メエリーと逢曳して彼女の了解を得ていたので遂に決心してこっそりメエリーと結婚し田園生活を始めた。血眼になって探し廻ったプロダクションの連中はメエリーに遭ったのでドン・ジョアンを見かけなかったかと尋ねた。メエリーは私達は活動見物には行かないから知りませんと答えた。