「荒馬と女」のストーリー

原爆実験地に近いネバダ州リノの町は、離婚の町としても有名な所だ。ここにきて離婚したロズリン(マリリン・モンロー)は世話ずきのイザベルおばさんの紹介で、2人の男と知り合う。自動車修理工のギドとその親友であるカウボーイ、ゲイ(クラーク・ゲイブル)である。ロズリンはゲイを頼もしいと感じた。話のはずみで彼ら4人は田舎に行ってパーティをやることになった。田舎での朝、自分のボロ飛行機で砂漠の上を飛んでいたギドが、野性の馬の群れを見つけた。馬の肉は罐詰業者に高く売れる。早速ギドとゲイは気のいい風来坊青年パース・ハウランド(モンゴメリー・クリフト)を仲間に入れ、馬狩りの計画を立て始める。馬のことでゲイを残酷な男と思いはじめたロズリンの心は、パースにかたむく。3人の男とロズリンは砂漠でテントを張った。ギドが飛行機で追い出した野性の馬を、ゲイとパースが投げ縄でトラックの上からとらえる。なかには仔馬を連れた母馬の姿もあった。綱をまかれた馬はやがて疲れはてて横転する。こらえきれなくなったロズリンは子供のように泣きじゃくり、男たちをとめる。ロズリンの頼みに負けたパースは縛った馬を次々と放す。怒ったゲイは単身馬を捕らえようとして、たけり狂う1頭に組みついた。血だらけになりながら馬を縛り上げるゲイを、よくやったとギドは助け起こす。しかしゲイは、立ち上がると捕えた馬の縄を切り放した。馬はたちまち逃れ去った。呆然としてこれを見ていたロズリンをゲイはトラックの上に拾い上げると、砂煙を上げて砂漠のかなたに走り去っていった。